「ウチのはエイゴなんで」
「は?」「Aの5、エ・イ・ゴです(あ、ご存じない?)」「それがなにか?」というような会話がレストランの店員とのあいだにあったかどうかは知りませんが、最近やたらと「聞くよねー」というかんじで耳につきますね、このエイゴ。「ウチはエイゴの12ですから」なんてあまりにもエラソーに言われたら
「じゃあA5の
7か8あたりはないの?」
と聞き返してやりましょう。A5というのは、牛肉の品質表示のことで、Aというのが最上級品質になります。学校の通知表とおなじで、牛肉を採点しているわけですね。そのなかをさらに1から5段階評価をしています。つまり1は赤点、5は満点。だからA5表示は最高級品質という意味です(大変よくできました。パチパチ)。ということで採点表のなかで言えば、A5はA4より上、ということになりますね。先ほどの店員さん、あんたの態度がエラソーな理由はわかった。早い話、スゲー高い肉というわけね。ですが、これは肉屋の言うことを鵜呑みにしている店の話。というのも驚くことに、肉の深い知識をもったシェフや料理人が少ない(らしい)。そうなると肉屋に「A5の12」と言われたら、それが基準になってしまう。いいの? これで?要はおいしいかどうか以前に、肉の評価は、通知表が優先されている。それにA5の肉が必ずしもA4よりうまいか、と言ったら、肉のおいしさをどこに求めるかでも変わってくるはずなんですが。。。エーと、それから12は、サシ(脂)の入り具合のことを示していています。サシの表示は1から12まであって、数が増えればサシもおおくなるので、A5の12といえば最上級の最高の霜降り、という一応の意味になります。言い換えれば、マグロにおける大トロみたいなポジションでしょうか。ただマグロの場合は、大トロが中トロよりも必ずしもおいしいとは言い切れないでしょう?
ぜったい赤身
と言う人もいれば
脂の少なめな中トロ
が好きという人もいます。牛肉も本当はそういうものでしょう? なにも脂が多ければいいってもんじゃない。「やわらか〜い♡」がテレビレポーターの肉の褒め言葉だけど、硬い柔らかいが肉の評価じゃないって知ってました? 肉の味を語ってくれる人って、まずいない。だから12よりも7〜8あたりのほうが肉の味がかえってしっかりしていておいしかったりもする。でもマグロとちがって牛肉の場合は、等級が高い方が基本的にありがたがられる。これもさっき言ったように、肉屋が信用できて、なおかつ料理人の舌が確かでないと、結局はそこそこの肉を高い値段で、しかもほとんど脂を食わされるようなハメになるわけで、そうそう手放しで喜べないはずなんですけど、テレビや雑誌の影響なのか、イマドキは、こういう脂の塊のような霜降り肉崇拝主義が幅を利かせています。とうわけで、はじめて行った店が「ウチはエイゴの12」とエラソーに言うようなところだったら、
お会計を覚悟しましょう
ちゃんとした店なら、マグロとおなじように、等級のみの判断ではなくおいしいところをだしてくれるでしょうし、ことさら等級を自慢するようなことはしないはずです。そもそも牛肉の霜降り度合いが高いからといって必ずしもいいとは言えないのという根拠があって。でもその話はまた次の機会に。ちなみに肉のオススメは。。。あまり言うと宣伝みたいになるからやめようっと。
