死んでいるチョコレートムース

生きることは表現することだと誰が言ったのか忘れたけれど、つくづくその通りのようにおもう。言い換えれば、表現することがないのは死んでいることだ。死んでいる人生。おそらくは僕がこれまでに経験したことのない感覚。ビル屋上の淵、それが大げさならば水のないプールの淵のぎりぎりのところを歩いているような毎日が続く。なにがいつ欠落したかは自覚がない。自虐的になっているわけでもない。気がつくと、食事からすっかり味が失われているようなかんじだ。味がしないチョコレートムースをどう言い表したらいいかわからない。そこにはかつてのチョコレートムース的記憶だけが漂っていて、目の前の実体とは観念で結びついているにすぎない。死んでいるチョコレートムース。おそらく、似たような経験をお持ちの方もいらっしゃるでしょうけど、味がしないというのはあくまでも比喩ですからね。僕はこれから鴨汁そばをいただきます。

きょうも、ぜんぶ、生きようね。おやすみなさい、悪いコたち。

Comment

CAPTCHA


hide comments
ShareTw.Fb.Pin.
...

This is a unique website which will require a more modern browser to work!

Please upgrade today!