やあ、こんにちは。というかはじめましてですね。濱田企画室といいます。
ええ、そうなんです、平凡な名前ですよね。
僕個人の事務所ですから、僕としてはこれでいいとおもうんですけど、その反面少し照れくさい気もします。自分の名前をばーん!と出すっていうのは、やっぱりちょっと、ねえ。カンタンに言えばエラソーなんですよね。わかります。でもおもいつかなかったんですよ、しっくりくる名前が。ネーミングの仕事もいただくのに、自分のになるといいのができないんだなぁ。やっぱり仕事とプライベートでは何かが明確に違うんだな。
ラブラドールとダルメシアンほどにね。
やっぱり平凡な名前なんだとおもい知らされることも多いです。例えば、領収書の宛名を「濱田企画室です」と告げると、半分くらいの人は「濱田企画」と書きます。ナントカ企画という名前はポピュラーなんですね。だから皆さん「室」まであるとはおもい至らないんでしょうけど、あの、すみません、でもこれ、いちばんこだわったところです。もともと会社を大きくしたいという頭はなかったし、グラフィックデザイナー(デザイナーって、やっぱり手がかかるから人が必要でしょ)と違ってコピーライターは、なんとなく一匹狼的なイメージがあったので、小さな一室をおもい描いていたんですね。だから僕はどうしても「室」だった。それに、もうひとつのこだわりは、「濱田企画」だと、やっぱり、ちょっと、コワイかんじの事務所みたいでしょ?雑居ビルの窓ガラス一枚一枚に「濱」「田」「企」「画」って貼ってある系の。。。
コピーから離れたコトバ
コピーを書くのは、純粋に商業活動の一環だと、僕はおもっています。広告自体がクライアントからお金を頂いて制作するものですから、作家活動ではないんです。そういう意味で、たい焼き屋さんとなんら変わるところはありません。たい焼きを焼いてお代をいただく。でも頼まれもしないのにいつもと違うものを入れて焼いちゃったり、こっちのほうがいいからとたい焼きじゃないものを焼いたり(なんだろう?)しませんよね。でも広告の場合、そういうことをするのがクリエイティブだとおもってるケースもあるんです。コピーライターをはじめた頃は、クリエイティブなコピーとはどういう顔をしているのかで悩んで、懸命になっていた時期がありました。今となれば懐かしい。で、ようやく僕もきちんとしたたい焼き屋さんになれた(つもり)。でも広告という仕事を離れて作ってきたコトバを眺めると、宙を舞う埃のようで面白い。仕事から解放されたコトバは、実は僕にとっても新鮮に写りました。普通は仕事集などをHPには載せるわけですが、ぼくは広告という母屋から離れて、かつてのコピーを日常の中に置いていこうと考えました。ポツン、ポツンと外界にマーキングしたコトバを眺めるために、この穴蔵に移ってきました。 母屋の裏庭にぽこんとできた穴蔵は、ちょっとばかりひんやりしていて、脈絡のない雑多なもので埋っていて、そしてぼくはそこの主のつもり。子供の頃、家の狭い庭にたてたテントの中で
一晩だけの冒険王
を気取ってたあのかんじをもう一度味わえる場所だったらいいなとおもうんです。「濱田企画室」っていう穴蔵がどんなおもてなしができるかわからないけれど、できればときどき思い出して、ときどきのぞきにきてくれませんか。奥へ奥へ少しずつ掘っているはずですから。
あしたも、ぜんぶ、生きようね。
おやすみなさい、悪い子たち。
