過日の夢。

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若い人には若い人の言い分があって、オヤジにはオヤジの言い分がある。女の子にも、オバサンにも言い分はあるし、八百屋さんにもケーキ屋さんにも言い分はある。きっと犬にも猫にもあるだろう。そう考えると世の中は、言い分だらけに思えてくる。理性的な人々は話し合いによって言い分を融合させていくのだろうけど、僕の考える言い分というのは、もっと頑なで(つまり頑固なわけですね)、なんというかその人特有のコリみたいなものだ。だから話し合いでほぐすよりは、折り合いをつけて共存していくほうが好きだし、そういう言い分との付き合い方が、僕の人生の骨格をかたちづくっていくのだろうとおもう。

ETERNUM VITI(エテルヌム・ヴィティ)は、黒といってもよいほど濃く艶のある紫色の色調。見た目はかなり押し出しが強いけれど、口に含むと案外やわらかな果実味がする。外見は頑固そうだが、話してみると気さくな天ぷら屋のオヤジのようだ。クリーンだし、品もいい。でもタンニンが効いていて、密度が高い感じがする。話し合うというよりは、そのパワーに身を任せてしまったほうがいい類いだとおもう。そして僕は頑固なワインの言い分に耳を傾けながら、スペインの太陽の下で育った過日の夢を見る。ごちそうさま。

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