二匹を連れて散歩をしていると、老若男女を問わず「かわいい」と声がかかる。車椅子の老婦人が遠くの方から満面の笑みで手招きしてくれたり、涙を流しながらかつての飼い犬の話をしてくれたおじいさんもいた。あるときは、黒塗りの大型高級車から制服に帽子という格好の運転手が降りてきて「そちらのワンちゃんは何という犬種でしょうか」と後部座席の方を見ながら言うので、のぞいてみると年配のご夫人が僕たちに向かって小さく手を振っていた、なんてこともあった。このあいだは3歳くらいの男の子が「かわいいかわいい」と寄ってきていきなり犬に抱きついた。僕もビックリしたけれど、犬はもっと驚いたようだ。「どーする?このまま相手する?」と聞いてくるから「あと少しの辛抱さ」と返すと犬は身を硬くして耐えていた。がんばれ!全国のかわいい犬たち。人間のわがままに耐えてくれ。
あしたも、ぜんぶ、生きようね。おやすみなさい、悪いコたち。

