
出張先のホテルで朝食メニューを選んでいたら、卵の調理方法に「スクランブルエッグ、オムレツ、目玉焼き」のなかからお選びくださいとあった。なぜか「目玉焼き」という呼び方が引っかかった。よくよく考えると「目玉焼き」というのはすごいネーミングですよね。それが「目玉を焼く」のではなく、「焼いた様子が目玉のように見えるから」だろうことは想像できます。でもネーミングとしては、かなりエキセントリックではないですか? なぜこの呼び方が世の中に定着したんでしょうか。
だって英語圏ではsunny side eggでしょう? baked eyesとか言わないんでしょう? 「焼いたら耳のように見える」から「耳焼き」とか、「焼いたら小指のように見える」から「小指焼き」なんていう代物があって、「おいしいから騙されたと思って食べてごらん」とすすめられても、ちょっと敬遠したい。だいいちなんで食べ物にそんなふうな名前をつけようと思うんだろう?「なんかうまそうだ」と思うと思うのか? 名付ける人の気が知れない。でも目玉焼きはきちんと定着している。不思議と言えば不思議だ(そんなことない?)。そんなことが気になるなんて、僕のどこかが疲れているんだろう。
ラストはトム・ウェイツのセカンドアルバム。まだ声が潰れる前のトム・ウェイツだから、そうとう前だ。彼は、僕が高校2年の時に来日して、横浜文化会館(だったと思う)でライブを行った。ピアノとガス灯が置かれたステージだったことを覚えている。細かなところは忘れたけれど、時間がゆっくりと水底へ沈んでいくようなひとときだった。このあと、ジム・ジャームッシュ監督の「Down by Law」に出演してメジャーになっていくのだけど、僕は横浜で歌っていた頃のトム・ウェイツが好きだ。どうしようもないくらい優しく、傷つきやすく、タフな男。たぶん目玉焼きは食べないだろうな。
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