きっかけは、夢が鮮やかすぎて

目が覚めた時は、夢を見た記憶しかない。いつもそうだ。いま橋を渡り終えたばかりなのに、それがどんな橋だったか覚えていないというのに似ている。ところが昨夜の夢は思い出が蘇ったのかと思えるほど、鮮明に覚えていた。ただそれがいつの時代のことなのかははっきりしない。20代だったか、30代だったか。風景のディテールは残っているのに、それがどのディティールなのかがわからない。小料理屋の店内は覚えている。でも店の名前は思い出せない。そして一緒に飲んでいたのは誰だったのか。そういうところはぼやけている。記憶は後ろの正面にある。

でもそうやって記憶の毛玉をほどいているうちにぼんやり見えてきたところがある。もしかしたら、当時の音楽を辿ればいま渡ってきた橋のことが少しは思い出せるかもしれない。だけど音楽を辿る? 夢の断片をつなぎあわせて? それはまるで僕のなかにある音楽の宇宙を虫眼鏡で覗くみたいな行為じゃないか。やれやれ。でもまあとりあえず最初に目に入った星に旗をたて、そこから範囲を広げていこうかな。「こういうのはどうだろう?」1番から9番まで野球のスタメンよろしくアルバムの打順を組んでみるってのは? まだレコードの時代の話だから、12歳から17歳くらいまでの間に聴いていたロックに限定してみる。音楽の惑星を9つにしぼるのは無理だけど、このやり方ならできるかもしれない。というわけで僕の夢の橋の全貌解明のために、ロックアルバム野球打順並べをはじめます。プレーボール!

1番星ジャクソン・ブラウン

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「プリテンダー」じゃないの?という大方の予想を裏切っての選出。確かにセールスとアルバムの完成度は「プリテンダー」の方が上だろう。しかしこちらには1、3、4ととにかく破壊力の凄まじい曲が3つも入っている。とくに4曲目の『レイト・ショウ』は歌い出しからノックアウトされる。いまだ聴くたびに鳥肌がたつほどだから、忙しいったらありゃしない。これを僕は七里ケ浜の高台でよく聴いた。日が沈んでしまった海を眺めながら、クラスのロングヘアーの子のことばかり考えていた。ジャクソン・ブラウンの湿っぽい声が、いい感じで悲しくさせてくれた。傷ついて喜んでいたんだから、若かったなぁ。ということで、1番バッタージャクソン・ブラウン。思い出を語る1番にはうってつけじゃないだろうか。で、今日はここまで。2番バッターに誰のどのアルバムが選ばれるのか?それはまた明日。あー、どうなるのか。。。なんだか自分でも楽しみになってきた。

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