
美しいとか、歌がうまいだけでは人気者になれない。頭が良くても、ハウツー本を熟読しても、人気のコツは得られない。しかも人気者を観察してみると、たいしたハンサムでなく、話もつまらなかったりする。それでも人は惹き付けられる。なんてついてる奴なんだ、と思うあなたは間違っている。人気者にはある共通した面がある。それは人を退屈させないという能力だ。記憶力がいいとか、絵がうまいというのと同じように、人気者は、人の気を集めるという能力を持っている。気が気を呼び、さらに気が集まる。人気者とは、気を引き寄せる才能を持った人のことだ。まじめで誠実で話の内容は濃いのだけれど、どうも人気がないという人がいる。平たく言えば、つまらない人。華がない人。調べものをするようなつもりでじっくりつきあえば案外お茶目な面が見つかるのかもしれないが、人の気を集める能力に欠けている。こういう人は、逆立ちをしたって人気者にはなれない。もともと世の中は不公平にできているのだ。しかし、寝ぼけた顔をし、滑舌が悪く、まじめでも誠実でもなく、要点を得ない答弁と責任逃れに終始し、決断力はもちろんのこと記憶力もない人は、人気者はおろか、リーダーになんか到底なれないことは誰にでもわかる。ところが現実は小説より奇なり。チョー不条理を、僕たちは毎日のように目撃している。こんな不幸ってあるか? この不運をどう受けとめたらいい?でも。考えたってしょうがない。悩んだってどうにもならない。そんなときは一杯やって気を晴らそう。うまい酒に切り替えよう。どうだい、見てみろこのボトル。実にいい顔をしてるじゃないか。それになんだい? こいつは鹿なのか? こんなラベルを見ていると、なんだか力がわいてくる。いいぞ、そうだ、その調子。あんな奴は忘れよう。思い出すだけでカンにさわる。
