今年も花見をせずに桜の時期は終わってしまった。開花のアナウンスはいろいろなところから聞こえてくるから、なんとなく花見に行かなければならない気になってくる。でも、あの人ごみが苦手なんだな。それに同じ花見なら、川縁の野花を見に行く方がよっぽど気楽でいい。カーテンコールのようにずらりと並んだ豪華な桜はないけれど、佇まいが慎ましやかで野花たちは微笑ましい。あまりにもかわいくて、サラダにして食べちゃいたいくらいだ。これに比べると都内の桜たちは気の毒に思えてくる。道にそって整列させられ、ライトで照らされ、毎年強制的に咲かされているようなかんじだ(もちろんそんなことはない)。桜は、山間に咲いているのがいい。かたい冬から暖気に煽られ「ぽっ」と頬を染める東山魁夷の絵のような桜からは、不思議と鼻歌が聞こえてくる気がするんだな。
あしたも、ぜんぶ、生きようね。おやすみなさい、悪いコたち

