
アート・ファーマーのコルネットが午後の空間を包み込んでいる。スローなベースラインは、やわらかな風の流れにも似て、私の思考回路を心地よくマッサージしてくれる。雨は夕日を浴びて金色に輝きながら真っ黒な土に吸い込まれていく。やまない雨はないけれど、やまない間は、私の散歩はない。アート・ファーマーは一時は心をなごませてくれる。しかしそれもほんのわずかな間だけだ。散歩に行きたい。カラスを追い回したい。今日の臭いを嗅ぎまくりたい。そのためには、まず雨がやまないと。あ、猫だ。猫は自由でいいな。いいけど、やっぱり犬でよかった。しかしアート・ファーマーって、昼下がりにぴったりな曲だな。
